chilican's diary

読んだ本や聞いた音楽の話をします。

音楽

坂本龍一 / behind the mask

坂本龍一の春の全国ツアーが全曲iTunesで売られている。とても全24公演を買うなんてことはできないし(コンプリートするハードコアな教授マニアもいるのだろうけどさ)、即興曲と好きな曲をいくつかお試しで買って楽しむことにした。のだが、iTunes Storeの…

トリビュートなのか?ヴィトウス新譜(2)

5月末に一度紹介したミロスラフ・ヴィトウスの『Remembering Weather Report』であるが、「演奏自体はすばらしいんだけど、楽曲が難解」(Realistic Nagoya)だとか、「タイトルにだまされると痛い目にあう」、 このタイトルはないだろう。何ともリスナーの…

ソフト・マシーンのヒュー・ホッパー亡くなる

ジャズロックバンド、ソフト・マシーンのベーシスト、ヒュー・ホッパーがなくなった。享年64。白血病だったそうです。まだ若いですね。 Hugh Hopper, Composer and Bassist for Soft Machine, Dies at 64 from New York Times カンタベリー・ミュージックの…

フレンチ・ヒップホップ

フランス語は聞き取れるほど知らないんだけど、それでもレ・ヌビアンはかなりすきだ。 アフロポップだったり、アフリカから移住したジャズやR&B系のミュージシャンがフランスとかベルギーのフランス語圏と縁が深かったりするせいでしょうかね(リチャード・…

Fly / Sky & Country

Fly / Sky & Country (2009, ECM 2063)Flyはマーク・ターナー(ts, ss)、ラリー・グレナディア(b)、ジェフ・バラード(ds)によるトリオで、レギュラー・グループとして活動しているようだ。このECMからのアルバムが2作目で、ほかにディエゴ・バーバーな…

どこらへんがドヴォルザーク

橋本一子のUb-x&菊地成孔のライヴと、藤井郷子カルテットの『ゼフィロス』をくりかえし聞いていた。 どちらもジャズをベースに置きつつ、ポップスやロックの領域に広がっていく、激しい音楽なのだが、Ub-xがその名の通りユビキタスなひろがり、浮遊感を持っ…

前衛レーベルからの洒脱なクレズマー・ジャズ - Feldman/Caine/Cohen/Baron

ジョン・ゾーンのTzadikレーベルにはいくつかのシリーズがあるが、「Radical Jewish Culture」シリーズはものによってはかなり激しく、なかなか聞くのは厳しい音楽で、買ったけど手放しちゃうなんてことがしばしばある。Tzadik自体がなかなかポップミュージ…

今週のお題 これじゃ踊れないよ!と神さまは言う

今週のお題「好きな音楽」だそうだ。 今週もへったくれもなく、音楽メインのブログなのだがね。自分でCDを持っているのは4枚中1枚しかないのだが、やっぱりティポグラフィカはいいよ。一応ゴッドマウンテン盤を含めてアルバムは全部聞けたけれども。 今月中…

マイナー・レーベル雑感、quartz-head

音楽でも、絵画でも文章でも、ある作品は好きだけど、同じ人の手になる別のものは好きじゃない、というのは、ごく当たり前のことだ。 そのことに気づいてから、気に入らないものはさっと手放すようにした。ときどき、好きな作品を作る人のほかのものも前に買…

Miroslav Vitous Group / Remembering Weather Report

Miroslav Vitous Group w/ Michel Portal / Remembering Weather Report (2009, ECM 2073) Variations On W. Shorter Variations On Lonely Woman Semina Surfing With Michel When Dvořák Meets Miles Blues Report Miroslav Vitous: bass Franco Ambrosett…

『Elvin Jones Live at The Lighthouse』再発。

あうとわ〜ど・ばうんどさんにて、今回の再発が、曲順増えた盤を二枚組にしたものだということを知った。ぼくが持ってるのは、曲順増えた盤の、『Vol.2』だけなんだよね。安売りワゴンでバラ売りの2だけ見つけるというよくあるパターン。 ライトハウスのエル…

リッチー・バイラークのmp3限定アルバム?

Richie Beirach / Crossing Over (2008, Niveau Records) ドイツのレコード会社から、リッチー・バイラークのソロピアノアルバムが出てます。 配信サイトにしか情報がないので、おそらく現時点ではCDでは出ていないと思われる。日本ではiTunes Storeの取り扱…

最近の個人的流行

つい先ほど気付いたのだけど、最近妙にクラリネットづいています。 アラン・トゥーサンのThe Bright Mississippi(ドン・バイロン)でしょ、 トーマス・ストローネンのParishでしょ(フレデリック・リュンクヴィスト)、 ヴォルフェルト・ブレデローデ・カル…

音楽配信利用のコツをつかんだ?

基本的にはブルーノートとかECMとかは知らないミュージシャンのアルバムでもパッケージで買うことにしていたのだが*1、その禁を破って、手持ちのCDに入ってない別テイクとか未発表演奏をいくつか配信で買った。だって、同じCD二枚も三枚もあるってのはなあ。…

元ウィルコのジェイ・ベネット死去。

ウィルコのギタリスト、キーボーディスト、ソングライターだった、ジェイ・ベネットが亡くなった。 享年45歳。当初カントリー・ロックバンドとしてスタートしたウィルコはどんどん変わっていって、今では結成時のメンバーはリーダーのジェフ・トウィーディー…

中古屋さんに行く

中古CD収穫。 Jan Garbarek / Dis (1977, ECM 1093) 西独盤を500円で。ラルフ・タウナーのギターと、ガルバレクのリードの世界。 かっこいいなあ。 回収しておいてアレだが、こういうのをブックオフに持ってったって二束三文でしょうに。 ぼくがそのぶん堪能…

com-postの「80年代の100枚」をどれくらい聞いているか

ジャズを中心とした音楽批評サイト、com-postが選出する「FAMOUS JAZZ CD 21 PROJECT」。現在80年代編が公開されているので、果たしてぼくはそのうちどれくらいを買ったり借りたりして聞いたことがあるかなー、というリストを作ってみた。 ちなみに、ぼくは8…

菊地成孔の師弟再会ライブ

菊地成孔のお師匠さんといえば、まず山下洋輔を思い浮かべるところだが、音楽学校時代の先生には橋本一子がいる。菊地はeweのアルバム紹介ページにもコメントをのせているし、『ロックとフォークのない20世紀』でのアルバム選定座談会には橋本の名前が出てく…

バルトークからジミヘンへ、電子音の恍惚 Kronos Quartet Plays Sigur Rós

Kronos Quartet Plays Sigur Rós (Nonesuch, 2007)クラシックの「現代音楽」に限らず、ロック、ジャズ、世界各地の音楽をレパートリーに持つ弦楽四重奏団、クロノス・カルテットがアイスランドのアンビエント・ロックバンド*1、シガー・ロスの曲"Flugufrelsa…

ジョー・ヘンリーとアラン・トゥーサンのおいしいニューオーリンズ

Allen Toussaint / The Bright Mississippi (Nonesuch, 2009)ファンキーおじさんアラン・トゥーサンの新作はあのジョー・ヘンリーのプロデュースだ。ジョー・ヘンリーといえば、ジャズやソウル、フォークにカントリーと、アメリカ音楽のおいしいところを押さ…

Wynton Marsalis / He And She

Wynton Marsalis / He And She ウィントン・マルサリスの新譜が出た。ウィリー・ネルソンとの共演作も出たらしいのだが、それは聞いていないので、2007年のクィンテット+ヴォーカルのアルバムFrom The Plantation To The Penitentiary、インターネット限定…

HOSONOしょこたんHOUSE / ジョーイバロンのソロドラム

細野さんのサウンドストリートでかかった、細野晴臣/松本隆組によるしょこたんの新曲「心のアンテナ」はなかなか良い。キラキラしたバックと穏やかなメロディー、独特のベースライン。 細野流の王道ポップスです。ネット上のいろいろなところでアニメソング…

NHK-FM サウンドストリート21 細野晴臣 (2)ゲスト中川翔子

NHK-FM「サウンドストリート21」の今月のDJは細野晴臣。ゲストに中川翔子。自分で買うか買わないかによらず、細野さんの音楽は20代後半のぼくでもいろいろ聞いてきたけれども、ぼくにとっては人形劇三国志のテーマと映画『銀河鉄道の夜』が一番。00年代のアン…

カート・ローゼンヴィンケルのライヴ

先日マーク・ターナーの項で紹介したNPRの「Live At The Village Vanguard」。ほかにもたくさんのミュージシャンのライヴを無料で聞けて面白いのだが、かなり力を入れて紹介されているのは、ギタリスト、カート・ローゼンヴィンケルだろう。 なにせライヴ2セ…

ジョシュア・レッドマン・ダブル・トリオのライヴ

新譜『コンパス』では抽象的な曲をピアノ抜きの拡大リズムセクションでおおくやっていたジョシュア・レッドマン。 youtubeにレコード発売記念のライヴの様子がアップされている。 メンツはアルバムと同じ5人。 Joshua Redman Double Trio NYC 01.21.09演奏し…

Fly trioのライヴがかっこいいのでアルバムを買っちゃったぞ

エンリコ・ラヴァの新作を気に入り、エドワード・サイモンとのライヴも楽しめたマーク・ターナーは、おそらく今年初めて聞いた(ほんとははじめて意識した、ですが)ミュージシャンの中で一番ハマった人としてぼくの記憶に残る。派手なブロウはしないけど、…

The Red Hot Chili Peppers / Freaky Styley

リマスター再発盤について書きました。せっかくなので、かつて自サイトで公開していた感想を再掲したいと思います。 クレジットはリマスター盤準拠。注釈もつけちゃう。 The Red Hot Chili Peppers / Freaky Styley (1985) Jungle Man Hollywood (Africa) (T…

マーク・ターナー、負傷後のライヴを無料で聞こう。

エンリコ・ラヴァの新作『New York Days』で出会い、ウォームで少し不思議な演奏が印象に残ったテナー奏者、マーク・ターナー。指を切断する大けがをしていたそうなのだけれど、接合手術とリハビリを経て、音楽活動に復帰した。その復帰後のライヴが、アメリ…

Red Hot Chili Peppers / Freaky Styley (Reissue)

Red Hot Chili Peppers / Freaky Styley (1985, 2003 Reissue)この間のレッチリStadium Arcadium発見から、ふと思い立って、EMIからのアルバムのうち、Freaky Styleyで新旧リマスター比較聴きをやった。旧マスターはもこもこしていて、特にヒレル・スロヴァ…

菊地成孔 南博『花と水』

即時性が尊ばれるネット、ことにブログにおいて、ひと月前は大昔とおんなじような感じさえしてしまうのですが(特に本と音楽の新作に関して、早く聞いて速くブログに書く、という熱意を持つ層がいることは確実だ。ぼく自身そういう熱意に浮かされたことがあ…