chilican's diary

読んだ本や聞いた音楽の話をします。

元ウィルコのジェイ・ベネット死去。

ウィルコのギタリスト、キーボーディスト、ソングライターだった、ジェイ・ベネットが亡くなった。
享年45歳。

当初カントリー・ロックバンドとしてスタートしたウィルコはどんどん変わっていって、今では結成時のメンバーはリーダーのジェフ・トウィーディーとベースの人しか残ってないんだけど、中期のポップで作り込まれたサウンド(具体的にはBeing ThereからYankee Hotel Foxtrotまで)時代に大きな役割を果たしていたのがこのベネットだ。

特にYHF大好きなぼくとしては、このアルバムの曲と演奏のよさと、ちょっと薄暗い雰囲気がたまらん。もっともベネットはアルバム制作中からトウィーディーと衝突し、完成後にバンドから解雇されてしまうのだが(その様子はドキュメンタリー映画I Am Trying to Break Your Heart: A Film About Wilco<邦題『ウィルコ・フィルム』>にくわしい。レコード会社からのお蔵入り通告、2人の衝突など、見てるこっちの胃が痛くなる)、作曲においても演奏においてもベネットの存在は大きい。このアルバムではエンジニア・プロデューサーとして活躍しているジム・オルークだが、よりコミットメントを深めてバンドの一員になった次のアルバムはポップとアヴァンギャルドを両立させようという試みが空回りしている。

さて、ベネットであるが、まだ死因は特定されていない。
痛みを訴えていたことや、ウィルコに対して訴訟を起こしていたことから病気で困っていたらしいのだが、突然のニュースで驚いた。

悲しいですね。言葉が見つからない。ウィルコを聞き、冥福を祈ることとします。

NYタイムズの記事はこちら。
Jay Bennett, Ex-Member of Wilco, Dies at 45 (5月25日付)