chilican's diary

読んだ本や聞いた音楽の話をします。

菊地成孔の師弟再会ライブ

菊地成孔のお師匠さんといえば、まず山下洋輔を思い浮かべるところだが、音楽学校時代の先生には橋本一子がいる。菊地はeweのアルバム紹介ページにもコメントをのせているし、『ロックとフォークのない20世紀』でのアルバム選定座談会には橋本の名前が出てくる。菊地日記でも何度か名前が出てきたような気がする。「菊地版200CD本」発売当時は橋本一子といえば、いろんなサントラ+YMO関係のヒト、という認識だったし、菊地が参加している橋本のアルバムも手に入らなかったのでなかなか二人の共演は聴けなかったのだが*1、2007年の共演ライヴ音源がe-onkyo musicで配信されている。

このアルバム、24bit/96kHz、DRMつきwmaでの高音質配信なのだけど、発売当時は一曲100MBオーバーのデータなんかでかすぎて買えません状態だったので、今まで聴けずにいた。聞けるようになったのはいいんですがねー。DRMの制限がちょっと大きすぎやしませんか?再生可能なパソコンは一台のみ、CDへの書き込みも一回だけってさあ。だいたい、CDの規格を超えた品質だから、事実上高音質で楽しめる環境が限られてるじゃないか。せめてDVDとかにも焼けるようにしてほしかった。ディスプレイの付属スピーカーではなく、アクティブスピーカーを増やしてる分、ぼくの環境はマシですが。

JazzToday2007 Special Live Ub-X meets 菊地成孔 (2007, ewe)

橋本のアヴァン・ポップ・ジャズピアノトリオUb-Xと菊地の共演で、かなりとんがっててかっこいい。デリケートなタッチでこれほど暴力的な世界を生みだすピアニストは今なかなかいないんじゃないだろうか。
澄んだ音色から強い音まで弾き分ける人はたくさんいるけれども、橋本のピアノには独特の艶がある。菊地のエロい音から突然絶叫するサックスと似ていなくもない。

*1:その後橋本のソロ作品は再発された。紙ジャケで結構高かったこともあって、いまだに聞いていませんが。