chilican's diary

読んだ本や聞いた音楽の話をします。

2010年に買った音楽特選(はてなダイアリーからの再構成)

 はてなダイアリーが終わってしまうので、ブログへの移行が公式に推奨されていますが、混雑していて自動でできないようです。過去記事の中で残しておきたいものを手動でブログに移します。

 まずは2010年に聞いた音楽の中で当時印象に残ったものについての記事。

<New Disc>

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新作はこの3枚。

モチアンはトリオなんだけど、ホランドとロスコーのアルバムはどちらも多人数で、ぐわーっと盛り上げてくれるものでした。ロスコーのアルバムにはヴィジェイ・アイヤーが参加していて、ついにECMもアイヤーに手を伸ばしたか!という一枚です。ロスコー自身よりも、トランペットのCorey Wilkes(AECの新メンバーでもあります)とアイヤー&クレイグ・テイボーンのピアノがかなり暴れまくっていてよいです。テイボーンはMichael FormanekのECM盤にも参加していて(David Tornのアルバム以来のティム・バーンのECMでもある)、そっちも気に入ったのですが、今年はでかい編成のジャズが楽しかったので、ロスコーをあげておきます。

モチアンのトリオはクリス・ポッターとジェイソン・モランとで、非常に引き締まった硬水のような音楽。ポッターもモランも自分のリーダーバンドよりずっといいじゃんって感じで、買ってからコンスタントに聞いている一枚です(モランはマハンサッパにチャールズ・ロイドの新作にと引っ張りだこ。新作は買ってないんですが、Village VanguardでのトリオでのライヴがNPRで聴けます)。モチアンのかいかぐっていくようなドラムがよりはっきりわかるという点で、トリオは最適だろう。

<Reissue>

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ECM白箱3枚セットはキースのスタンダーズだったり、チックのソロピアノだったり、いつでも店頭にある定番で、「あえて箱に入れて売りなおす必要ないですよね、アイヒャーさん?」というよくわからない企画もあるのだけど、このアーリル・アンダシェンのセットは全部初CD化であります。70年代はじめ~半ばのECM北欧組のジャズ作品はガルバレク=ステンソン・カルテットもそうですが、後追いで聞いても新鮮なんですよねえ。

<そのほか>

  • Steve Lehman Octet / Travail, Transformation, And Flow

去年のアルバム。入手困難にでもならない限り別にいつ聞いたっていいものはいいんだけど、これは「去年出たときに真っ先に聞いておくんだったああ」と思ってしまった。やたら鋭利で腰に来るサウンドがかっこよすぎる。前述のホランドのアルバムとよく似た編成なんだけど、リーマンのオクテットに比べると、ホランドのバンドさえなんかもったりしているような気がしてしまう。

  • Mike Keneally & Beer For Dolphins / Sluggo!

ザッパ最後のスタント・ギタリスト、マイク・ケネリーの98年作。レコード会社がぶっつぶれてレア盤化したらしく、CDは高騰していたのだけれど、本人のサイトでデジタル再販。

可逆圧縮で10ドルというお値打ち価格、転売屋死亡。めでたしめでたし。

しゃべるギター(FZがヴァイにやらせたアレ)とか怒涛のリズムチェンジ炸裂曲とかもあるんだけど、凝り性のポップ芸術家体質・自作自演派。これも聞けてうれしかった。iPodロスレスで入れて聞き倒しておる。

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結局買ってしまった。京都賞受賞記念のソニーブーレーズ全集、自作自演の巻。

「プリ・スロン・プリ」(1962年版、69年録音。ハリーナ・ルコムシュカ(ソプラノ)、BBC饗)が目当てだったんだけど、これまで聞いていた81年のエラート盤よりもハープとヴィブラフォンが目立っている。沈黙と楽器の音のせめぎあいがより強烈なような気がするなあ。オーケストラを聞くならほかの盤のほうがいいと思うけど、打楽器類がよりとげとげしいのはこっち。

 2010年に聞いた音楽のリスト。

アルバム25枚、シングル10枚。合計35作品。

今年はザッパの持ってないアルバムを聞くことを優先したので、新作はあえて遠ざけていたんだけど、その割りに結構たくさん新作聞いたなー、という感じであります。

とりあえずこの人の新作は出たら買っとこう、というポジションの人も今年は少なかった。

特筆すべきは配信の多さかもしれません。いわゆるシングルは全部配信購入(ついでに全部iTS)でしたし、ミュージシャンのインディ・レーベルものが非常に増えています。

結果としてECMとノンサッチという、パッケージ自体にもこだわってるレーベルじゃないとCDに手が伸びない、ということにあいなりました。

旧作なんだけどこれすごくよかったなあ!っていうのは、また別の記事にしてみようと思います。

 このころは音楽配信が面白かったんでしょうね。ディスク買うより配信でたくさん入手している。ザッパの発掘盤もまだ家族経営のレコード会社はユニバーサルと提携していなくて、CDは直販化、軒並み5000円以上かかってしまう国内ショップの買い付けしかない時代でした。『FZ/OZ』はたしかに本番が10000円していたはずです。CD2枚組なのに。だから配信が出て買ったんですよ。

アルバム

  1. Brad Mehldau / Highway Rider
  2. Charles Lloyd Quartet / Mirror
  3. Dave Holland QuintetArchive Series Vol. 1: The Dave Holland Quintet '07 (Download)
  4. Dave Holland Octet / Pathways (Download, with Bonus Track)
  5. Erykah Badu / New Amerykah Part Two: Return Of The Ankh
  6. Hélène Grimaud Grimaud / Resonances
  7. Keith Jarrett / Charlie Haden / Jasmine
  8. Michael Formanek / The Rub And Spare Change
  9. Mike Keneally / Marco Minnemann / Elements of a Manatee (Download)
  10. Norah Jones / iTunes Originals (Download)
  11. Omar Rodriguez Lopez & John Frusciante / Omar Rodriguez Lopez & John Frusciante (Download)
  12. Omar Rodriguez Lopez Quartet / Sepulcros De Miel(Download)
  13. Pat Metheny / Orchestrion
  14. Paul Motian / Lost In A Dream
  15. Phish / 06/24/10, Susquehanna Bank Center, Camden, NJ(Download)
  16. Phish / 10/31/10, Boardwalk Hall, Atlantic City, NJ(Download)
  17. Prince / 20Ten
  18. Roscoe Mitchell And The Note Factory / Far Side
  19. Food (Thomas Strønen / Iain Ballamy) / Quiet Inlet
  20. 大友良英高田漣 / BOW (Download)

再発アルバム

  1. Arild Andersen / Green In Blue: Early Quartets
  2. Eberhard Weber / Colours
  3. Frank Zappa / Buffalo (Digital)
  4. Frank Zappa / FZ:OZ (Digital)
  5. The Jimi Hendrix Experience / Axis: Bold as Love (With DVD)

シングル

  1. Primus / Me Llamo Mud (Download)
  2. Pupa / dreaming pupa pre-remix - EP (Download)
  3. Rush / Caravan (Download)
  4. Various Artists / Hope for Haiti Now (Alicia KeysSting, Steve Wonderのみ) (Download)
  5. Soundgarden / "The Telephantasm" from Telephantasm(Bonus Track Version) (Download)
  6. Steve Vai / VaiTunes #1~5 (Download)