ペット・サウンズ
ジム・フジーリ、村上春樹訳『ペット・サウンズ』(新潮社)をいただきました。
あのビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』についてのノンフィクションです。
ブライアン・ウィルソンがこのアルバム(だけではないのだけど)を作り上げた前後にレコード会社、あるいはバンドのほかのメンバーとの軋轢や無理解に苦しんだことはよく語られることだ。これまでぼくは国内盤のライナーノーツでしか読んだことがないのだけど、この傑作が当時はさっぱり評価されなかったのだ、っていわれますね。でもビルボード10位って、そんなにひどい売り上げではないような気もします。
人間関係やビジネス事情にとどまらず、曲の分析的な記述や、なにより著者がどれほど『ペット・サウンズ』をすばらしいと思っているか、そこのところを個人的な視点込みで、心を込めて語っている。読み応えがあります。
村上春樹の訳者あとがきは、これをCDのライナーノーツにしてもいいんじゃないかとさえ思います。
本を読んだあと聴きなおして、ちゃんとクレジットも見たら、バーニー・ケッセルやキャロル・ケイも参加してたんですね。
それにしても『ペット・サウンズ』は聴くたびに良さが伝わってきます。