chilican's diary

読んだ本や聞いた音楽の話をします。

Ketil Bjørnstad / Terje Rypdal / Life in Leipzig

Ketil Bjørnstad / Terje Rypdal / Life in Leipzig (ECM 2052, 2008)
ノルウェーのギタリスト、テリエ・リプダルとピアニスト、ケティル・ビヨルンスタのデュオによるライヴアルバム。
2005年、ライプツィヒの録音。発売はついこないだ。
実際に手に取るまで、Live in Leipzigだとおもってたよ。(・∀・;)

ジャズにおけるギターとピアノのデュオ、というとジム・ホールビル・エヴァンスということになるのかしらん。
その二人のUndercurrent菊地成孔のCDガイド本見て買ったのです。
しかし、鬼気迫る演奏なのはわかるのだが、ぼくにはちょいと敷居が高すぎるのか、正直楽しめないまま塩漬けになっている。
水死体ジャケットを眺めて、「マイファニーヴァレンタイン」聞いて、満腹になって、CDしまう。
その繰り返しなのであります。

さて今回取り上げたリプダル&ビヨルンスタは、ぼくもかなり楽しめる作品でした。
リプダルはリーダー作を聞くのは3枚目、ガルバレクのサイドで1枚、都合4枚目で、ビヨルンスタはこれが初めてになるのだけれど、ビヨルンスタがライナーノーツで述べているように即興なのだけれどもメロディーを基底にしているパフォーマンスに、どっぷりつかれる。

リプダルのギターはかなりハードロック的。ピンク・フロイドAnimalsのデイヴ・ギルモアのギターからブルースを抜いて、浮遊するような空間を作りつつ、自分が前面に出るときは思いっきり泣きのギターになる、という感じ。まあ、他のアルバムでもおんなじアプローチだったから、デュオだからといってことさらにやり方を変えているのではないらしい。
対するビヨルンスタのピアノはもともとクラシックのピアニストだと言うことですが、ロマンチックな色彩が結構強い。

オーセンティックなモダンジャズファンよりロック好きのほうが楽しめるだろうと思います。
特に最終曲のピアノがリズミックなメロディを叩きだして、そこにギターがリフをつけてくるあたり、めちゃめちゃ盛り上がってかっこいい。

曲はそれぞれが書いているんだけど、ビヨルンスタの方が多いです。もともとこのデュオはリプダルのカルテットが原型だそうです。音楽的には対等に聞こえるけど、ビヨルンスタの名前が前に来てるのはそのへんが理由かもしれません。
ノルウェーつながりで、グリーグの曲を一曲。「抒情小曲集」中の「夜想曲」の一部みたいですね。