chilican's diary

読んだ本や聞いた音楽の話をします。

The FRANK ZAPPA AAAFNRAAAAAM Birthday Bundle 21 Dec. 2011

はてなダイアリーの記事のリサイクルです。

 フランク・ザッパお誕生日おめでとうデジタル・コンピレーション。第4弾です。

The FRANK ZAPPA AAAFNRAAAAAM Birthday Bundle zappa.comでクレジットが公開されています。

 今回もiTunes Storeを通じての販売で、ザッパ自身の蔵出し音源とカバー曲という構成も継続しています。 前作「The Frank Zappa aaafnraaaa Birthday Bundle」は収録曲の時間の関係上、目玉になる「天国への階段」カバーがアルバム一括購入でないと聞けないという不便な仕組みになっていましたが、今回の誕生日アルバムは全曲単独購入可能になっています。前作の紹介記事はこちら。


The Frank Zappa aaafnraaaa Birthday Bundle - chilican's diary

 今度のアルバムは「Anything Anytime Anywhere For No Reason At All, Again, Also, And Mathilda」の略だそうで、どんどん長くなりますねこれ。マチルダちゃん7さいはフランクの孫娘。FZと同じ12月21日生まれだそうで、今回のアルバム・タイトル、ならびに出演となったようです。なお、マチルダちゃん7さいはオリジナル・マザーズによる演奏(バッキング・ボーカルはFZ蔵出し職人兼ZPZ、マイク・ケネリーバンドなどのドラマー、ジョー・トラヴァース)をバックに"Wowie Zowie"をこどもらしくうたっているのですが、試聴だけしてぼくは買いませんでした。 ザッパ家の親戚の皆さん、ちびっこのあどけない歌が好きな方は、買ってもいいかもね。

 わたしゃけっこうです。

 あとのカバー曲は、メタル版マザーズといえなくもないけったいなバンドSystem Of A Down(デビューアルバムはかなり気に入っていました)のシンガーによる「黄色い雪」、ZPZバンドメンバーによるインストなどなど。ソロベースの"Sleep Dirt"とか結構おもしろそうだから、あとで買うかもしれません。 今回はその中からFZ本人が手がけた、あるいは演奏が聞ける音源を購入したので、感想を書いておきます。

  • "Dead Girls of London (vm)" ジャズ/ロック・ヴァイオリニスト、シャンカール(L. Shankar)とFZとの共作曲で、ザッパプロデュースのL. Shankar / Touch Me Thereにはいっています。ザッパ名義ではライブでの演奏が数種発表されていますね。誕生日シリーズThe Frank Zappa AAAFNRAA Birthday Bundleにも79年の演奏が入っています。 さて、「(vm)」とはなんぞや? ヴァン・モリソンです! Touch Me There 時に録音されたものと思われるのですが、モリソンが歌うバージョンはこれまでブートでしか聞くことができませんでした。そういわれればこれはヴァン・モリソンなんだろうなあ。アルバムに参加してるFZとアイク・ウィリスじゃないしな。という程度の音質でしたが、今回の公式版、ちゃんとヴァンの声に聞こえます。フィル・パーマーのスライドギターがたまりません。
  • "Another Variation Of The Formerly Secret" 初出曲。80年10月30日NYCでのライブ。S・ヴァイ入り、エド・マン抜きのBuffaloバンド。ベースのフレーズから、"City of Tiny Lites"のギターソロ部分を抜き出したものだと思う。『黙ってギターを弾いてくれ』には"City of Tiny Lites"のギターソロがはいっていること、FZプロデュース、81年のミックスであることから、同作のアウトテイクと思われる。タイトルは「カルロス・サンタナの秘密のコード進行による変奏曲」のバーチャルな続編としての位置づけか(題をつけたのが誰かは不明)。こちらは特にサンタナっぽくはない。カリウタ入りバンドでのギターソロの多くがそうであるように、原曲が重なっていたこと以外にお蔵入りした理由は見い出しがたい傑作ソロ。ザッパとカリウタのコンビネーションが好きなら間違いなく気に入る。
  • "Peaches (Vienna 88)" 「ピーチズ・エン・レガリア」(88年5月8日ウィーンでのライブ)。このメロディを大編成の管楽器隊で聞ける! 管楽器隊の合奏と、打楽器隊のがんばりはぐっときました。 最初はそこに注目していたのですが、何度も聞くうちに、このツアーでのクリーンなザッパのギターの音色はかなりこの曲にフィットしていることに気づきました。
  • "Cosmik Debris" (FZ with DZ/ZPZ) ドゥイージル・ザッパのバンド「Zappa Plays Zappa」の目玉にFZとのバーチャル競演とFZバンド卒業生のゲスト参加がありますが、この"Cosmik Debris"はレイ・ホワイトが歌で参加しているので、目玉二つの目玉焼きですね。そつのない演奏で楽しめます。音だけ聞いてると、このバンドが実際にFZのリーダーバンドとして存在していてもおかしくはない、うまい。と一歩身を引いて聞いてしまうのですが、こういうのはやっぱりライブを見に行くと興奮するんだろうなあ。