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John Frusciante / Enclosure (2014)

音楽

 John Frusciante / Enclosure (Record Collection, 2014)

  ジョン・フルシアンテは非常に多作な音楽家で、2004年2月からの1年で7枚もスタジオ録音が出たことがある。1999年にレッド・ホット・チリ・ペッパーズの復帰作が出てからは、ソロ、バンド(レッチリが最もよく知られていると思うが、マーズ・ヴォルタにもほぼレギュラーで参加していた)、共演作、ゲスト参加などなど、何かしらのリリースが年に最低2回はあったと思う。

 ぼくはよくあるファンとして、レッチリと個人名義の作品はいつも発売されると聞けば楽しみにして待ち、楽しく聞いてきた。マーズ・ヴォルタと、奥さんのニコール・ターリーのプロジェクトは、嫌いではないんだけど、発売を待って、評判を聞いて、ちょっと試聴してみて、聞きたい気分が盛り上がったら聞いてみようかなあ、程度の関心だ。だから、全部の録音を聞いているようなマニアではない。

 2009年にチリペッパーズを脱退したあとのフルシアンテのソロ作品は、エイフェックス・ツインスクエアプッシャーといった「速くて細かい音符を詰め込んだ電子音楽」やゲストラッパーを迎えてのラップ音楽に傾斜した。打ち込みのリズムやシンセサイザーは2001年の3作目から大々的に使われていたのだけれど、フルシアンテ自身の歌やギターがメインでなくなったときには驚いたものだ。

 このEnclosureは高速ブレイクビーツ路線にはあるのだけれども、ゲストの類がいないというのがまずよい。歌ものが充実している。荘厳なボーカルと終盤のギターソロがかっこよい1曲目や、SoundCloudでも公開されている"Fanfare"が気に入った。歌に対して高速、かつ違うリズムの電子ビートが突如割り込んでくるのは、インタビューで本人も対立させることに意味があるといっていて、それはうなづけるのだけど、あまりに頻繁で、いささかくどい。11曲の中でそういう曲が1,2曲あるくらいのバランスがぼくにとってはよかった。ネット配信曲"Wayne"や前作Outsidesで聞かせた、打ち込みのビートに乗ってギターソロを弾き倒す曲が聞きたいのだが、今度のアルバムはその手のギターもロックギターの世界から離れているあたりがおもしろい。


John Frusciante - Wayne

 

 1stアルバムの後半、Usually Just a T-Shirtのような頻繁にコードやリズムが変わり、テープの速度変更といった技術を導入したギター曲が電子化するとともにこうなった、といえるだろう。その手の前衛的スタイルは好きなんだけど、高速ブレイクビーツはあんまり好きじゃないから、好きなんだけどついていくのにちょっと気合が必要である。


John Frusciante - Fanfare