chilican's diary

読んだ本や聞いた音楽の話をします。

The Frank Zappa aaafnraaaa Birthday Bundle

フランク・ザッパのお誕生日を記念してiTunes Store限定でリリースされるアルバムも3つ目になりました。

The Frank Zappa aaafnraaaa Birthday Bundle
「Anything Anytime Anywhere For No Reason At All, Again, Also」だってさ。
zappa.comに収録曲の詳細が載っています。
 
今回もFZの蔵出し音源と、こどもたちをはじめとするカバーで構成されています。ただ、これまでとは異なり、10分を越す「天国への階段」と"The Torture Never Stops"は単独購入不可、アルバム一括購入のみになっているので注意。ええ、わたしゃ一括で買いましたよ。

以下、ツイッターの投稿に加筆したものですが、アルバムの感想。

FZ蔵出し音源は、次の5曲。

この中では、『黙ってギターを弾いてくれ』より長くソロが聞ける"Treacherous Cretins"が一番いいと思う。ソロが長いと、その分ザッパの色気たっぷりのギターに浸れるわけだからね。79年3月16日フランスでのライヴ。もちろんククルロ、ウォーリー、カリウタ入りのバンドだ。FZミックスなので、『黙ってギターを』のアウトテイクかと思われる。

"City Of Tiny Lites"。「ヤブーティ酋長」バンドの1978年1月26日。「スタジオ版」および出たばかりの3枚組、Hammersmith Odeon 双方のソースになった公演だが、これはFZミックスではないので、ライブ3枚組の方のアウトテイクだろう(まだ届いてないので確認できず)。歌パートに戻る前のピアノのちょっとしたブレイクがすごくかっこいい。

79年バンドからもう1曲、"Jumbo Go Away"。2月ハマースミスオデオンでのライブ。You Are What You Isで聞けるスタジオ版よりも、テンポはスローである。間奏の無調インストパートが長くてうれしい。エド・マンとカリウタが張り切ってます。ククルロのじゃりじゃりしたギターも聴ける。というかこの曲の肝はあそこだ。

"My Guitar Wants To Kill Your Mama"は、88年バンド3月21日の録音。FZミックス。スコット・チュニスのベースがこりこりこりこりとおかずを入れております。

最後はZEPの「天国への階段」。88年3月9日録音。ブート廃人を除けば、ザッパの天国への階段といえばレゲエのリズム、だったわけですが、The Best Band You Never Heard In Your Life とは異なり、このテイクはレゲエではありません。マイク・ケネリーによる、非常に正統的な、この曲の導入部のアルペジオが堪能でき、管楽器隊のギターソロ合奏の前にはFZのギターソロが入ってる。 ぼくはレゲエバージョン大好きですが、同じようなアレンジを商品化するってのは芸がないものね。 公式リリース2ヴァージョン目として、リズムアレンジが異なり(比較的、ZEPの元のに近い)、FZのギターをたっぷり楽しめるテイクが聞ける、というのはうれしいところだ。

さて、残るカバーは、ドゥイージルがらみが3曲(うち2曲はザッパ・プレイズ・ザッパのライブで、あとはZPZをバックにメイシー・グレイが歌う)。アーメットがらみが2曲、"Willie The Pimp"のラップ版とか。それからHolland Grecoなる女性SSWと、メタリカのベーシスト、ロバート・トゥルヒーオが1曲ずつ。

ZPZのライヴは、「不死の子馬」と"Peaches En Regalia"の2曲。桃にはスティーヴ・ヴァイとナポレオン・マーフィー・ブロックがゲスト参加。桃はヴァイのギターにどうしても耳が行ってしまいます。ドゥイージル、演奏はうまいし、「不死の子馬」のギターソロはいいなあー、と思うのですが、もうちょっとFZ的世界から離れてもいいんじゃないかなあ。クラシックの古楽器演奏みたいですよね。


そういう意味では、Holland Grecoによる"Take Your Clothes Off When You Dance"がカバー曲では一番楽しく聞けた。もともとが「かわいらしい」曲で好きだったんだけど、ウクレレでさらに抜けてる。