chilican's diary

読んだ本や聞いた音楽の話をします。

Brad Mehldau / Highway Rider

ブラッド・メルドーの新譜Highway Rider が出ました。

Nonesuch Storeで買ったので、CDはまだ届いていないのですが、おまけ付きのmp3版(320kbps)をダウンロードする権利が付いているので、音楽は発売と同時に聞けるのであります。

おまけのメルドー自身によるデモ演奏と解説は国内盤のボーナストラックになっているようだが、送料を含めてもNonesuchから購入するほうが安い。国内盤を買わせる動機としては弱いんじゃないかなあ、と思う。

その辺は前にも書いたので詳しくはこちらを見ていただきたい。

ジョビン、ビートルズレディオヘッドのカバーを含み、ハードロック的な表現にも手を伸ばしたLargoにつづくジョン・ブライオンのプロデュース第二弾なんだけど、前作と違ってジョン・ブライオンのポップミュージック・フリークぶりはあまり出ていない。Largoはそれこそ、エイミー・マンWhateverフィオナ・アップルTidal、ブライオン自身のMeaninglessと並べておきたい作品だったのだが。それらにあったキラキラ感、ちょっとレトロなポップスっぽさは今度のアルバムには少ないぞ。

「中年音楽狂日記」さんでも取り上げられているのだが、

Brad Mehldauの新譜が出た:でも現物はまだだ...

全体を貫くトーンは,どちらかというと地味に聞こえるのである。しかし,それは出来が悪いというのではなく,おそらくこれは聞くたびによさがにじみだすタイプの音楽ではないかと思えるのだ。

同感である。
そしてこの味わいは枯れた地味さではないのだ。
特にジョシュア・レッドマンのサックスを入れた曲なんかはしみじみとした叙情があるのだが、なんというか、サックスの音色もスウィートでみずみずしいんだよね。
レッドマンの曲にことよせていうなら、"Sweet Sorrow"なんだよ。

2枚組みでボリュームのある作品で、しかもじわじわと聞かせるものだから一、二度聞いただけじゃとうてい捉えきれないのだけれど、好きか嫌いかという点で言えば、ぼくはこのアルバムとっても好き。