chilican's diary

読んだ本や聞いた音楽の話をします。

Anthony Braxton / Six Compositions (quartet) 1984

アンソニー・ブラクストンの音楽は好きなのだけれど、そんなにたくさんは聴いていない。
やまほどレコードやCDは出ているのだが、廃盤・品切れが多いし、たいていは小レーベルのもので値段も高いからだ。

しかしディスクにこだわらなければ容易に聞けるようになったのですねえ。
けっこうたくさん配信されてるから。

Anthony Braxton Six Compositions (quartet) 1984 (Black Saint)
これ買ってみました。

iTunes Storeでの「アーティスト」は

  • Ed Blackwell, Anthony Braxton, Marilyn Crispell, Anthony Davis, Mark Helias, Aleta Heyes & John Lindberg

となっていまして、Blackwellがいるなら買いだし、名前だけは知っているMarilyn Crispellもいるじゃないか!とぽちったのですがね、聞いてみたらこれはどうもおかしい。ドラムがぜんぜんブラックウェルっぽく聞こえないので、
Jason Guthartz氏のAnthony Braxton Discography (Restructures.net)をみてみた。

同じ「Six Compositions (quartet)」ってタイトルの別のアルバムと混じっちゃってるのね。
Black Saint盤のカルテットはこう。

  • Anthony Braxton (alto, soprano, & C-Melody Saxophones, clarinet, flute)
  • Marilyn Crispell (p)
  • John Lindberg (b)
  • Gerry Hemingway (ds)

ブラックウェルがいないのは残念だけど、それはそれとして、面白いアルバムです。
Six Monk's Compositions (1987) って言うモンク集も同じレーベルでやってるブラクストンさんですが(そっちもカルテット)、1曲目の"Composition No. 114 (+108a)"からして、モンクのミステリオーソみたいな、「楽器のおけいこ」マインドにあふれた素朴なテーマで、いきなり腰が抜けます。これは音階の練習かしらんと思っているうちにブラクストンがぶすぶす、クリスペルがぴきんぴきんと脱線していく。
おもしろい。
いつも聞くブラクストンはデイヴ・ホランドやらバリー・アルトシュルと熱く凍りつくような演奏している70年代初頭のものなのですが、その辺の調性を感じさせないようにして行く演奏とはまた一味違って(そういうのもやってるけど)、それこそモンクみたいなかわいらしさ、スイングが感じられます。