chilican's diary

読んだ本や聞いた音楽の話をします。

com-postの「80年代の100枚」をどれくらい聞いているか

ジャズを中心とした音楽批評サイト、com-postが選出する「FAMOUS JAZZ CD 21 PROJECT」。現在80年代編が公開されているので、果たしてぼくはそのうちどれくらいを買ったり借りたりして聞いたことがあるかなー、というリストを作ってみた。
ちなみに、ぼくは80年生まれである。リアルタイムで80年代に好きだったのは、前にも別の記事で書いたけど、チェッカーズ細野晴臣の『銀河鉄道の夜』とジャネット・ジャクソン、それに各種アニメ、特撮の音楽であった。当時から聞いていたジャズは、親がもってたエリントンとルイ・アームストロングくらいだったはずだ。

  1. 006 John Zorn Naked City
  2. 011 The Lounge Lizards The Lounge Lizards
  3. 017 Keith Jarrett Standards, Vol.1
  4. 024 Steve Coleman and Five Elements Sine Die *1
  5. 025 Astor Piazzolla Tango: Zero Hour
  6. 026 菊地雅章 SUSTO
  7. 030 Wynton Marsalis Wynton Marsalis
  8. 031 Carla Bley Live!
  9. 033 Herbie Hancock Trio Herbie Hancock Trio '81
  10. 035 Miles Davis We Want Miles
  11. 036 Arild Andersen Molde Concert *2
  12. 038 Lester Bowie The Great Pretender
  13. 053 John Zorn/George Lewis/Bill Frisell News For Lulu
  14. 061 Jaco Pastorius Word Of Mouth
  15. 063 Wynton Marsalis Quartet Live At Blues Alley
  16. 067 Pat Metheny 80/81
  17. 076 Kip Hanrahan Vertical's Currency
  18. 084 Branford Marsalis Trio Jeepy
  19. 089 King Crimson Discipline
  20. 094 Weather Report Procession

このように、ぼくが聞いているのは19(+1)/100枚であった。
およそ20%だ。
ぼくはいーぐる後藤氏(id:eaglegoto)と村井氏の著作やディスクガイドには結構お世話になっている口だけれども(「いーぐるの100枚」や菊地成孔の200CD本、図書館で何度も借りて読みまくった「21世紀へのジャズ200CD本」あたり)、パーセンテージはともかく、トップ10のうち聞いていたものはジョン・ゾーンのネイキッド・シティだけだったということにびっくりしました。
キースやウィントンはトップ10にはこないのねえ。
トップ10のほかの九つは全然知らないよー、というわけでもなくて、ECMからの3枚(チャーリー・ヘイデンThe Ballad Of The Fallen、マーク・ジョンソンズ・ベース・ディザイアーズのSecond Sightデイヴ・ホランドExtensions。どれもベーシストのリーダー作だ)はいずれ聞きたいアルバムだしベース・ディザイアーズは最初のアルバムなら聞いていて、お気に入りである。オーネット団や渡辺香津美、ブレッカーがらみは別に関心ないけどね。ベース・ディザイアーズみたいに、同じ、あるいは似たようなメンバーアルバムなら聞いたことがあるよ、ってのは多かった。アート・アンサンブル・オブ・シカゴ(『ナイス・ガイズ』と『フル・フォース』)、トニー・ウィリアムスブルーノートもの(『ネイティヴ・ハート』)、ウェイン・ショータ―も『アトランティス』なら持ってるし、メセニー・グループも『トラヴェルズ』前後の二枚好きです、という感じで。だから「全然わからないミュージシャンが出てきて、もう何言ってんだかわかんないよ。80年代のジャズは異次元の平行四辺形だ」とは思わなかった。

ティーブ・コールマンは90年代のカサンドラ・ウィルソンアルバムとか、ミシェル・ンデゲオチェロとか好きなものと人脈的つながりがあるので、たどっていったんだけど、さっぱりわからなかった。『シネ・ディエ』は後藤氏のお気に入りのようで、あちこちで紹介してるし、期待してたんだけど、フロア向きファンク的にも来ないし、かっこいいソロを決めるわけでもないし、現代音楽的にゾクゾク来る緊張感や構造も見えない。何年か前にラベル・ブリュから出た2枚組『象徴としてのジャズ』は面白かったのに。

なぜかキング・クリムゾンの『ディシプリン』が出てるけど、周辺ジャンルに広げるんなら、ぼくだったらイーノ/ハッセルとか、マイケル・ヘッジズにいきますね。ワールド、ミニマル方面ならあとライヒ。クリムゾンより影響が大きいものはいくらでもあるでしょう。アルバムとしては『ディシプリン』好きだけど。あと、プリンスの覆面ジャズバンド・マッドハウスとかどうですかね。これやハンコックの「ロック・イット」はたまにものすごいものが出る「ジャズ meets R&B/ヒップホップ」の嚆矢だと思います。ロック・イットは面白くないけど、80年代のプリンスは今聞いても面白いしさ。

*1:S・コールマン公式サイトにてダウンロード可能。スティーブ・コールマンの『シネ・ディエ』はcom-postでも触れられているとおり、CDは現在販売されておらず、ぼくはコールマンの公式サイトでの無料配布で聞いた。

*2:アリルド・アンデルセンの『モルデ・コンサート』はアルバム全体は聴いていないのだが、ECMからの自選集:rarumに1曲はいっていたので、参考としてリストに加えておく。