chilican's diary

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Dave Holland - Pathways (Bonus Track)

Dave Hollandの新譜Pathwaysがでた。

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ホランドのリーダー作を全部聞いたわけではないのだけれど、きわめて充実していたクリス・ポッター入りのクインテットに、トランペットとサックス二人が加わった新八重奏団によるアルバムだ。

  • Dave Holland: bass
  • Antonio Hart: alto sax & flute
  • Chris Potter: soprano & tenor sax
  • Gary Smulyan: baritone sax
  • Alex Spiagin: trumpet & fluegelhorn
  • Robin Eubanks: trombone
  • Steve Nelson: vibraphone & marimba
  • Nate Smith: drums

赤字が旧五重奏団のメンバー

個人的にはアンソニー・ブラクストン、バリー・アルトシュルと一緒にやっていたいろいろなプロジェクト(サークルとその派生バンド。ホランドカルテット、チックコリアのトリオ、ブラクストングループといったあたり)と並んでこれぞホランドというべき仕事が、クリス・ポッターとのさまざまな活動であると思う。

Pathwaysは八重奏団による、昨年1月のライブアルバムだ。録音場所はニューヨークのバードランド。ECMからのライブアルバムExtended Playと同じロケーションで、メンツも重なっているのだから、これは期待が高まろうというもの。

そのホランドの新作だけれども、普通にCDショップでも、iTunesほか配信サイトでも買えるのだが、ホランドの公式サイトでは、通常盤以外のアイテムが買える。

50セット限定のポスター付特殊パッケージ版(サインつき)、サインなしの特殊パッケージ1000枚限定というマニア向けのコレクターズアイテム、CD、FLACApple Losslessなどの高音質ダウンロード版(CDと同じ、デジタルブックレットもちゃんとある)の4種を買うと、通常盤未収録のボーナス・トラックが付く。Kenny Wheeler作曲の"So Fa Da"である。ボーナスなしの安価なmp3版もある(それでもビットレートは320kbpsと高い)。

http://www.daveholland.com/discography/dr2-004-dave-holland-octet-pathways

消費者の囲い込みなんだけど、やり方がうまいよね。

日本だとこういうバリエーションをつけてさまざまな売り方をしているのは、坂本龍一out of noiseくらいではないか。(2018年9月2日追記: 新作でもどれを買っていいものやら困るほどのバリエーションがつくのはジャズでももはや珍しくはない。)

Dave Hollandの新譜はChris Potterをはじめとするソロイストの演奏と、管楽器セクションのソリの絡みが楽しい。ラージ・アンサンブルの醍醐味を堪能できる。

これは当時のツイッターに書いた感想だ。

モダンジャズ的なアドリブの盛り上がりでは、"How's Never?"でのアントニオ・ハートのアルトサックスのソロが一番熱い。

とはいえ、ホランドのベースの安定感と、ヴァイブの響きであら熱がとれていて、全体としては実に奇妙な味わいがしていておもしろい。

再演曲が多いようなのだが、ぼくが聞いたことがあるものはなかった。

というかだね、ジャズメンはみんなアルバム出しすぎだよ。

サイドはともかく、リーダー作さえそう簡単に把握できないくらいある。

マイルスはオフィシャルに限って言えば8割くらいは聞いてるはずなんだけど。

"How's Never?"はジョン・アバークロンビージャック・ディジョネットとのトリオが初出の曲。ギタートリオと、コード楽器なしの八重奏団では違いが大きそうだ。

"Ebb and Flow"はDream of the Elders、"Shadow Dance"はJumpin' Inか。

80,90年代のホランドも聞いてるぜい、という方は聞き比べる楽しみもありですね。

 

Pathways

Pathways