chilican's diary

読んだ本や聞いた音楽の話をします。

Andy Allo / Superconductor (2012)

 カメルーン出身でカリフォルニアを拠点に活動しているR&Bシンガー・ソングライター、アンディ・アローは、2011年からプリンスと活動を共にし、2012年までの「Welcome 2」ツアーに参加、その後も録音や共作の発表は2016年プリンスが亡くなるまで断続的に続いた。プリンス晩年のアルバムArt Official Age (2014)とHit N Run Phase 2 (2015)にもアンディ入りの曲が入っている。特にラストアルバムの2曲はアルバム以前にシングルで出ている。

 晩年、2010年に新聞のおまけアルバムを出してからのプリンスのリリースは、インターネットでシングル曲を直前に予告を流したうえで自サイト(最晩年はTIDALと組んで先行リリースになった)で発表するというやり方にこだわった。彼の死によって結果的に最後のアルバムになったHit N Run2部作は、以前と同様膨大な録音の中からアルバムを編む方法がとられたが、いまだにアルバムにならなかったシングルもある。その時のツアーで紹介する配下の新人、あるいは新バンドの紹介にもなっていたのだ。シングル曲はその時の生き生きした活動を反映した側面があったと思う。

 ぼくはそのころプリンスの新曲を追うのが楽しくて、このブログにも聞いた端から実況中継よろしく記事をアップしていたが、アンディ・アローの参加した2曲は好みにもあっていて、とてもよかった。プリンスは自分と組む女性シンガーは、朗々と歌うタイプよりもかわいい感じの歌声の人をフィーチャリング・アーティストにする傾向があったが(バンドのバックコーラスにはもちろん両方のタイプを起用した)、アンディはそのタイプの最後の一人だった。

 

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  プリンスはアンディ・アローを起用するだけでなく、彼女の2ndアルバムSuperconductorにも演奏と作曲で力を貸している。このアルバムはファンクとジョニ・ミッチェル的なギター弾き語りのスタイルが同居した傑作で、アローのアルバムでは一番聞きごたえがあると思う。バックバンドはプリンスのNPGなのだが、NPGで最も何でもできたドラマー、故ジョン・ブラックウェルが多く参加しているのもいい。買った当時はエスペランサ・スポールディングと並べて感想を書いていた。Radio Music Societyは近いところにあると今でも思うなあ。しなやかで優美で、人間が演奏しているフィーリングにあふれたソウルミュージックだ。

Andy Allo Superconductor CD

Andy Allo - Superconductor CD

 そんな風に5年たってもなおお気に入りアルバムの一角を占めているアンディ・アローのSuperconductorだが、CD版には実はブックレットがついていなくて、CDのエクストラトラックにデジタルブックレットが入っていて、パソコンで見られるようになっている。このブックレット、サイズが48cm x 33cmととても大きい。指定サイズではとても家庭用プリンタで印刷できないので、しかたなしに音楽を聴きながらパソコンでブックレットを見ていたんだけど、この間、「そうだ、冊子を作らなくても、写真にプリントしてCDと一緒においておけばいいじゃない!」と思いついた。それでプリントしてみたのがこれ。

Andy Allo - Superconductor Booklet

Andy Allo - Superconductor Booklet

 L版の写真はCDのケースと一緒に置いておくのにぴったりのサイズだった。文字を読むのは結構厳しいが、美しいブロマイドが12枚CDに付け加わったのでした。Superconductorは各種配信サイトで聞けるほか、アンディ・アローのサイト(andyallo.com)でCDとUSBが買える。

  

Superconductor

Superconductor